
vol.9 派遣労働者のキャリアアップ推進
派遣労働者は、正規雇用労働者に比べ、職業能力形成の機会が乏しいという現状を踏まえ、今回の改正法では、
派遣労働者のキャリアアップ支援が初めて義務付けられました。
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派遣元に義務付けられるキャリア支援
| 段階的・体系的な 教育研修の実施 | 雇用する派遣労働者に対して、派遣就業に必要な技能及び知識を習得することができるような教育研修の段階的・体系的実施が義務付けられました。特にその派遣労働者が無期雇用派遣労働者の場合はその職業生活の全期間を通じて能力発揮できるように配慮して実施することが求められます。 |
|---|---|
| キャリアカウンセリング の実施 | 雇用する派遣労働者のうち、希望する者に対して、職業生活の設計に関する相談の機会の確保(=キャリアコンサルティング)その他の援助を行わなければなりません。 |
| 派遣元責任者の 職務追加 | 派遣元責任者の職務に、「派遣労働者についての教育訓練の実施及び職業生活の設計に関する相談の機会の確保に関すること」が追加されます。 |
教育訓練等の実施状況については、事業報告が求められ、行政のチェックが行われるようになります。
また、これらは「派遣労働者に係る雇用管理を適切に行うに足りる能力を有するかどうかの判断基準」つまり事業許可の要件となります。
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派遣先が講ずべき措置
| キャリアに関する 情報提供 | 派遣元の求めに応じ、派遣労働者の職務遂行状況や遂行能力の向上度合いなど、派遣元のキャリアアップ支援に必要な情報を派遣元に提供する努力義務が定められました。 |
|---|
法改正により、派遣元事業主には派遣先の紹介と雇用管理に止まらず、
派遣労働者の「育成」という役割が求められていることが明確になりました。
教育研修等にかかるコストは派遣元にとっては従来と比べると
大きなコストアップになることは避けられません。
いかにその投資をいかに回収するかは、キャリア支援制度を自社の強みとして優秀
な派遣労働者に選んでもらえる派遣会社になれるかどうかにかかってきそうです。
情報提供 : 社会保険労務士法人すばる ( http://subaru-sr.jp/ )
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