
退職時に最終給与から引かれる住民税の「一括徴収」とは?【税理士監修】
退職理由は、前向きなものからやむを得ないもの、ネガティブなものと、人によってさまざまです。
だからこそ、退職理由を聞かれたときにどのように答えればいいのか不安になる人も多いと思います。
この記事では、よくある退職理由や円満な伝え方、退職理由を伝える状況別のポイント、伝え方の例を紹介します。
退職理由はそのまま伝えるのではなく、その状況にふさわしい伝え方を工夫することが大切です。
スムーズに伝えられるように、あらかじめ答え方を準備しておきましょう。
退職理由は人それぞれ異なると思いますが、ここでは、一般的によく見られる理由をいくつか紹介します。
キャリアアップやスキルアップを求めて転職を考える人は少なくありません。
現在の職場では得られない経験や知識を求めて、新しい環境に挑戦したいというのは自然な流れです。
現職でつちかったスキルや知識を次の職場で活かし、更なる成長を目指したいという理由は、前向きな退職理由として受け取られるでしょう。
家族のサポートや子育て、介護など、家庭の事情によって退職しなくてはならないこともあります。
特に女性の場合、出産や育児に専念するための退職などもあるでしょう。
このような理由は、個人の生活に大きく関わるため、会社側も退職へ理解を示すことが多いです。
在職中に健康状態が悪化し、仕事を続けることが難しくなってしまうこともあります。
その場合、治療や療養に専念するために退職を選ぶことが多いです。
また、過労や長時間労働によるストレスが原因で、心身の健康を損なってしまうケースでは、職場環境が改善されず、退職が避けられないということもあるでしょう。
職場の労働環境や人間関係が原因で、ストレスを感じ、環境を変えるために退職する人もいます。
極端なケースですが、パワハラやいじめなどが原因になることもあります。
退職理由としてそのままでは伝えにくい内容なので、伝え方には工夫が必要です。
給与や昇進、福利厚生などの待遇面が期待通りでなく、転職を考えるというケースも多いです。
特に、他社と比べて不満がつのる場合、待遇の改善を求めて転職を決意することがあります。
退職理由として不満をそのまま伝えるのは良い印象につながらないため、伝え方には工夫が必要です。
ここでは、退職理由を伝える際に円満に伝えるためのポイントを紹介します。
個人的な成長やキャリアアップのためといった前向きな理由を伝えることで、退職がネガティブなものではなく、ポジティブな印象になります。
特に退職時は、前向きな理由を伝えることで、引き止められる可能性が低くなり、スムーズに退職することができます。
家庭や家族の事情、健康上の問題など、やむを得ない事情で仕事を続けられない場合は、状況を素直に打ち明けることで退職への理解を得やすくなります。
特に健康上の理由は、具体的な治療期間や医師のアドバイスをもとに説明するといいでしょう。
トラブルや不満が理由の場合は、直接的に伝えるのではなく、前向きな表現に言い換えることが大切です。
ネガティブな理由をそのまま伝えると悪い印象をもたれたり、改善をするからと退職の引き止めにあうかもしれません。
円満退職のためには、角が立たない言い方を心がけることが必要です。
退職理由の伝え方については、下記の記事でくわしく紹介しています。
退職理由を伝えるシチュエーションは主に3つあります。
ここでは、それぞれの場面での伝え方のポイントを紹介します。
退職を決めたら、まずはじめに直属の上司に退職の意思を伝えます。
その際には退職理由だけでなく、感謝の気持ちとともに、退職で迷惑をかけることへのお詫びも忘れずに伝えましょう。
上司に退職を伝える時には、引き止められにくい前向きな理由を伝えることが大切です。
引き継ぎをしっかりおこなうことを伝えるのも、引き止められにくくするポイントです。
退職願と退職届には、退職理由を記載する必要があります。
特に退職届の退職理由は、自己都合か会社都合かによって、雇用保険の基本手当(失業手当)の受給内容がかわるため、正確に記入することが重要です。
自己都合は「一身上の都合」と記載し、会社都合はその具体的な退職理由を記載しましょう。
転職の面接では、「なぜ前職を退職したのか(現職を退職するのか)」という質問を必ずといっていいほど聞かれます。
ネガティブな退職理由でも、前向きな表現で話すことで、面接官にポジティブな印象を与えることができます。
「同じ理由でまたすぐに辞めてしまうのではないか」という不安を払しょくし、これからのやる気と熱意を伝えることが大切です。
ここでは退職理由別に、退職時と転職面接での伝え方の例を紹介します。
キャリアアップやスキルアップを理由に退職する場合は、成長することへの意欲をアピールし、新しい環境へ挑戦する前向きな姿勢を伝えることがポイントです。
例文:
お忙しいところご相談の機会をいただき、ありがとうございます。
皆さんのご指導のおかげで、これまで多くの経験を積むことができましたが、さらにデータ分析とAIの分野で専門性を高めるためには、新たな環境での挑戦が必要だと思い転職を決めました。
これまでの○○さんのサポートに深く感謝しております。退職日は○月を希望しているのですが、退職についてご相談させて頂けますでしょうか?
例文:
新規獲得からその後のサポートまで、一貫して顧客と関われる環境で働きたいと思い退職を決意いたしました。
現職の業務内容は、新規獲得です。顧客の抱える問題をヒアリングし、一緒に改善方法を考えて、関係を深めることに注力することで受注を頂いておりますが、獲得後は他の部署の者が担当をするフローになっています。
御社の、顧客と密に関わりながら、長期的なパートナーシップを築くことを重視しておられるところに共感し、ぜひ働きたいと考えました。
家庭の事情による退職は、上司や面接官もやむを得ないと理解してくれるでしょう。
端的に状況を説明し、職場に対して誠実な姿勢を見せるのがポイントです。
転職の面接では、現在その事情がどうなったのか、新しい職場で何か配慮が必要かを明確に伝えます。
例文:
急な相談となり申し訳ありませんが、地元に住む一人暮らしの父が、怪我により要介護状態になってしまったため、介護に専念するために地元に戻ろうと思っています。
今は復帰の見通しも立たないため、介護休暇取得もチームに迷惑がかかると考え、熟慮の末退職を決断しました。
急なご相談でご迷惑をおかけしますが、ご理解いただければ幸いです。
例文:
私事で恐縮ですが、昨年子どもが生まれ、一児の父となりました。家族と過ごす時間の重要性を改めて実感し、現状の働き方では家族との時間を確保することが難しいと感じるようになりました。
今後は、自身の成長やキャリアアップをしつつ、メリハリのある働き方をしたいと思っています。
御社のような、ワークライフバランスを重視した働き方が可能であり、私のスキルを活かして貢献できる職場で働きたいと考え、退職を決めました。
健康上の理由で退職する場合も、やむを得ない事情として上司や面接官も理解してくれるはずです。
正直に状態を伝え、周囲に伝えないでほしい時にはその旨もお願いしましょう。
転職面接の場合には、現在の状況や回復具合についても説明し、今は問題なく働けることをはっきりと伝えることがポイントです。
例文:
お忙しいところお時間をいただきありがとうございます。
いつも通院や病休に、ご配慮いただきとても助かっております。しかし最近、体調がすぐれない日が多く、治療に専念した方がいいという医師からのアドバイスもあり、退職を考えています。
そのため、○月末の退職が可能か、ご相談させていただきたいです。
現在の業務については、引き継ぎ計画を作成し、後任の方がスムーズに業務を引き継げるよう努めます。
ご迷惑をおかけしますが、ご承諾いただけますでしょうか。
例文:
前職は病気の治療に専念するために退職いたしました。
現在の体調に関しては、療養の末無事に回復しましたので、業務を行なうことに支障はありません。
前職で行っていた会計業務を今後も続けたいという気持ちを強く持っており、経験を活かせる御社でぜひ働きたいと考えております。
一緒に働く皆様にご迷惑をおかけしないよう、健康面には十分に留意して仕事にのぞみたいと思っております。
人間関係のトラブルのようなネガティブな理由を、そのまま伝えるのはおすすめしません。
退職時には、ウソにならない範囲で前向きな表現に言い換えたり、建前の理由を伝えましょう。
転職面接の場合は、直接的な批判を避けつつ、愚痴に聞こえないように事実を端的に伝え、これからどうしたいかを伝えることが大切です。
例文:
お忙しいところお時間をいただきありがとうございます。新しい環境で自分がどこまでできるのか挑戦をしたいと考え、転職を決心しました。
これまでの、○○さんのご指導やサポートに心から感謝しております。
退職は○月末とさせていただきたいと考えています。現在担当しているプロジェクトについては、引き継ぎ計画を作成し、スムーズな移行ができるよう努めます。
ご迷惑をおかけしますが、退職についてご相談させて頂けますでしょうか?
例文:
現在の会社では、マニュアルが徹底されており、与えられた業務に個人で淡々と取り組むといった働き方が主になっています。
私はさまざまな人と相談をしながら作り上げていくのが好きで、コミュニケーションに重きを置いた働き方をしたいと考えるようになり転職を決めました。
記事で読んだ御社の双方向のコミュニケーションを重視した組織づくりに感銘を受け、自分もそのなかで働きたいと強く感じています。
給与や待遇に不満があって辞める場合でも、それを退職理由として直接伝えるのは避けましょう。
退職時に不満を正直に話すと、改善するからと引き止められてしまう可能性があります。
また、伝え方によっては相手の気分を害し、円満退職しにくくなることもあります。
転職面接でも、単に不満を伝えるのではなく、「こういうことが不満だったから転職したい」を「こういったことを実現したいから転職したい」と言い換えるといいでしょう。
例文:
お忙しいところお時間をいただきありがとうございます。私事で大変恐縮ではございますが、新たに挑戦をしたいことが見つかり、退職をしたいと考えております。
これまでの、○○さんのご指導やサポートに心から感謝しております。
退職は○月末とさせていただきたいと考えています。現在進行中の業務については、後任の方が円滑に業務を引き継げるよう準備を進めてまいります。
ご迷惑をおかけしますが、退職について相談させて頂けますでしょうか?
例文:
現職では、残業や休日出勤が常態化しており、余暇はどうしても体を休めることが優先になってしまい、新たな情報をキャッチアップしたり、勉強することに時間を割くことができていません。
御社は、業界の最前線で活躍されていることや、社員の成長をサポートする環境が整っていることを伺っております。
最新の技術や業界の動向を積極的に学ぶ時間を確保し、知識やスキルをさらに向上させ、より多くの貢献ができる環境で、新しい挑戦をしたいと強く思っております。
この記事では、退職理由について紹介してきました。
退職理由は、前向きなものから個人的な事情だったり、トラブルのようなネガティブなことだったり、人によってさまざまです。
だからこそ、退職理由を会社や上司、面接官に伝えるときは、そのまま伝えるのではなくその状況にふさわしい伝え方を工夫することが大切です。
工夫することで、円満でスムーズな退職につながったり、選考における不安を払しょくすることができます。
退職理由を聞かれて焦らずにすむように、あらかじめ答え方を準備しておきましょう。