退職を申し出るのは何日前?法的ルールと円満退職にベストなタイミング
ベストな退職のタイミングは?円満退職やボーナス、保険、税金で損をしないポイント
退職を考えたら、どのタイミングで退職をするか決めなくてはいけませんよね。円満退職や保険や税金の負担を最小限にするため、次のキャリアにスムーズに進むためなど、自分にとってベストなタイミングを理解し、決断をしましょう。
退職のタイミングに悩んでいる人に向けて、この記事では、退職するタイミングについて紹介します。
退職するタイミング
退職するタイミングを工夫することは、次の仕事への準備をスムーズに進めるためだけでなく、円満な退職やお金の面で損をしないためにも大切です。
ここでは、退職するのに良いといわれるタイミングについて紹介します。
ボーナスをもらったあと
ほとんどの会社ではボーナスを受け取るには、その支給日に会社に在籍していることが条件になっています。
そのため、ボーナスの支給日まで会社に残り、その後に退職するという人が多いです。
しかし、ボーナスを受け取った直後にすぐ退職するのではなく、ボーナスを受け取ってから退職の意思を伝えて、引き継ぎなどを行ってから退職するのがおすすめです。
例えば、支給日の2週間後あたりに退職することを伝え、引き継ぎや有給消化を行って、退職は1〜2ヵ月後というスケジュールです。
ボーナスを受け取った直後に辞めるのは、会社から良くない印象をもたれ、円満退職しにくくなる可能性があります。
また、ボーナスの査定には、今後の働きへの期待値が含まれることがあります。
支給日の前に退職することを伝えてしまうと、ボーナスの査定に響き、ボーナスが減ってしまうかもしれません。
転職先が決まったあと
転職が決まる前に退職をしてしまうと、思うように転職活動が進まなくなったときに、精神的にも経済的にも余裕がなくなり、転職活動に集中できなくなってしまうかもしれません。
転職を考えて、退職する場合は、転職先が決まったあとに退職するのがおすすめです。
転職先の入社時期や現職の引き継ぎ期間、有休消化のことを考えて退職日を調整しましょう。
転職先が決まったあとに退職することはルール違反ではなく、むしろ計画的な動きとして評価されることもあります。
退職におすすめの時期
退職するタイミングを選ぶ際には、転職市場の状況や現職の忙しさを意識することも大切です。
ここでは、退職に適した時期について紹介します。
求人の多い時期
転職先を決めてから退職したいと考えているなら、転職市場が活発な時期を狙うのがおすすめです。
特に1月から3月、8月から10月は、求人が増える傾向があります。
その時期に転職活動を進め、転職先が決まってから退職の手続きを行いましょう。スムーズに次のキャリアへ進むことができますし、転職先の選択肢も増えます。
現職の閑散期
円満退職を目指すのには、現職の業務が落ち着いている閑散期がおすすめのタイミングです。
閑散期であれば、引き継ぎをスムーズに進めやすく、上司や同僚にも迷惑をかけにくいでしょう。
また、上司が忙しくない時期であれば、話し合いにも余裕が生まれ、退職することを相談しやすいのもメリットです。
保険・年金・税金に関する退職のポイント
ここでは、退職するタイミングによって変わる、保険・年金・税金に関するポイントを紹介します。
より詳しい手続きの方法などは、下記の記事をご覧ください。
空白期間をつくらない
退職後空白期間があると、健康保険や年金、税金の手続きが複雑になる可能性があります。
退職後すぐに転職先に就職するケースでは、転職先企業がこれらの手続きを行ってくれるため、自分で手続きする必要はありません。
空白期間を作らないように、次の職場への入社日と退職日をしっかりと調整することが大切です。
月末退職をするべきか確認する
退職日が月末かどうかで、社会保険料の支払いが変わります。
- 月末に退職する場合
退職月の社会保険料が発生し、その月の保険料は会社と従業員で折半して支払います。
- 月の途中で退職する場合
その月の社会保険料は発生しませんが、すぐに国民健康保険に加入しすべて自己負担になります。
一般的に、全額自己負担の国民健康保険よりも、社会保険を折半する方が負担が少なくなるケースが多いです。
しかし、国民健康保険の保険料を計算してより安くなる人や、親や配偶者の扶養に入る人は、月の途中で退職する方が、負担が少ないケースもあります。
保険料や家庭の事情によって、月末退職にこだわるかどうかを決めましょう。
収入が上がる場合は7月以降
転職後に収入が上がる場合、7月以降に新しい職場に入社すると、保険料の増加を抑えることができます。
健康保険や厚生年金保険といった社会保険料は、4月・5月・6月の総支給額で計算され、9月から翌年8月にかけて反映されるためです。
ただし、転職後に収入が下がる場合は、新しい収入に合わせて保険料が調整されるため、特に気にする必要はありません。
住民税の手続きは退職月で変わる
住民税も、退職後すぐに次の企業に就職する場合は、基本的に転職先で特別徴収(給与から天引き)を継続できます。
ですが、自分で手続きをする場合には、住民税の手続きは、下記のように退職月によって変わります。
①1月1日~5月31日に退職(1か月以上離職期間がある場合)
1月1日~5月31日までに退職する場合は、最後の給料で残りの住民税をまとめて天引きすることができるので、自分で納付する必要はありません。
手続きが簡単な一方、手取り額が大幅に少なくなるおそれがあります。
②6月1日~12月31日に退職(1か月以上離職期間がある場合)
6月1日~12月31日に退職をする場合は、退職する会社で残りの住民税を一括で天引きしてもらうか、3か月に1度分割で支払う「普通徴収」に切り替えるか選びます。
自分で納付するのが面倒な人は、一括で天引きしてもらう方法がおすすめです。退職する前に、前もって会社に相談・依頼し、手続きしてもらいましょう。
普通徴収に切り替える人は、特に手続きを行わずに退職をすれば、自動で切り替わります。
退職を伝えるタイミング
退職を伝える際には、まず直属の上司にその意思を伝えるのがルールです。急に会社に行かなくなるのはマナー違反ですし、トラブルの原因になります。
上司に伝える際は、忙しい時期を避けて、アポイントを取って話すようにしましょう。
就業規則で決められた期限
一般的に、就業規則には「退職する場合は、退職予定日の30日前までに申し出ること」のように、退職に関するルールが決められていることが多いです。
このルールを守ることが、円満退職のためには必要です。
引継ぎや有給消化から逆算
退職前には、業務の引き継ぎや有給休暇の消化を行います。それらの時間を逆算し、退職の1〜3ヶ月前に伝えるのが理想的です。
引き継ぎがスムーズに行われるよう、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
法的には2週間前
正社員など、あらかじめ契約期間が定められていない場合には、少なくとも2週間前までに退職願を提出することで、法律上はいつでも辞めることができます。
つまり、退職を申し出てから2週間すれば、会社側の承諾がなくても、会社を辞めることが可能です。
ただし、円満退職のためには、先に述べたように就業規則を守ったり、引き継ぎなどの十分な期間を用意することが大切です。
まとめ
この記事では、退職するタイミングについて紹介してきました。
- ボーナスをもらったあとに退職する場合は、支給日のあとに退職を申し出る
- 転職先が決まったあとに退職する場合は、転職先の入社時期に合わせて計画的に進める
- 転職を考えている人は、転職市場の活発な時期
- 円満退職のためには、現職の閑散期
- 手続きや負担を減らすベストな月に退職する
この記事で紹介してきたタイミングや時期を参考に、自分にとってベストなタイミングを見つけて退職の計画をたてましょう。