主婦(主夫)も危ない!SNSや掲示板に潜む「闇バイト」の危険と特徴、万が一の時の対処法
近年、SNSやインターネット掲示板を利用した「闇バイト」が大きな社会問題となっています。一見、普通のアルバイトや副業に見えるこれらの募集は、実は犯罪に加担させる危険なものです。
特に「家計を助けたい」「在宅でできる仕事が欲しい」と思う、主婦(主夫)がターゲットにされるケースも増えています。
本記事では、闇バイトの危険性や特徴、巻き込まれた場合の対処法を詳しく解説します。
普通の求人に見える「闇バイト」に注意!
最近ニュースで、若い人や主婦(主夫)、高齢者が「闇バイト」に関わり、犯罪に巻き込まれてしまったというケースが取り上げられています。
もしかしたら「自分には関係ない」と思っている人も多いのではないでしょうか?
闇バイトの募集は、SNSやネット掲示板など、誰もが利用する身近な場所に潜んでいます。そのため、誰でも騙されてしまう可能性があるのです。
巻き込まれないためには、まず闇バイトについて正しい知識を持つことが大切です。
闇バイトは「バイト」ではなく「犯罪実行者の募集」
「闇バイト」とは、普通のアルバイト募集のように見せかけて、応募してきた人を犯罪の実行者にするものです。
もちろん、報酬はもらえずに、実行犯として都合のいい捨て駒にされてしまいます。
闇バイトと知らずに応募してしまうと、詐欺や強盗などに加担させられてしまい、その結果、犯罪者として警察に逮捕されてしまいます。
闇バイトは、応募した人が気づかないうちに犯罪に加担させられてしまう怖さがあります。
学生・若者だけでなく主婦(主夫)も巻き込まれる恐れが
「闇バイトに巻き込まれるのは若い人だけ」と思われがちですが、実は主婦(主夫)や大人もターゲットにされることがあります。
限られた時間で稼ぎたい、子どものために少しでも収入を増やしたい、と思って在宅ワークや副業を探している主婦(主夫)にとって、「簡単に稼げる」「短時間でできる」という条件の仕事は理想的です。
たとえば、「子どもを保育園にあずけている間にできる簡単なお仕事」「在宅で高収入」など、忙しい主婦(主夫)が魅力的に感じる言葉で誘い込むのが闇バイトの手口です。
また、SNSを通じて簡単に応募できることも、誰しもが巻き込まれてしまう理由の一つです。
闇バイトの危険性
闇バイトに関わってしまうと、そこから自力で抜け出すのはとても難しいです。
「一回だけなら大丈夫」と思って応募しても、その後「住所を知っている」「家族に危害を加える」などと脅されて引き返すことができません。
そして一度でも実行犯になってしまえば、たとえ「知らなかった」と言っても実際に重い罪に問われ、自分や家族の人生を大きく狂わせてしまいます。
下記のような刑罰だけでなく、例えば「銀行口座を開設して売り渡す」という犯罪に加担してしまうと、その後、預貯金口座などを利用できなくなるなど、様々な影響があります。
■ 「闇バイト」で関わりうる罪名及び刑罰の例
罪名 | 刑罰 |
---|---|
詐欺(受け子・出し子) | 10年以下の懲役 |
犯罪収益移転防止法違反 | 1年以下の懲役、100万円以下の罰金 |
強盗 | 5年以上の懲役 |
強盗致死 | 死刑又は無期懲役 |
闇バイトの特徴
ここでは、実際に闇バイトはどのような形で募集されているのか、また、闇バイトの特徴などを詳しく紹介していきます。
こんな求人に注意!闇バイトの募集例
闇バイトの求人は、このような形でSNSや掲示板に投稿されたり、ダイレクトメッセージ(DM)などで送られてきます。
闇バイトの募集例
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闇バイトの求人は、高額な報酬を強調しながら、具体的な仕事内容が書かれていないことが多いです。
しかし最近では、一目で闇バイトなのか判断できないように巧妙化してきています。
たとえば、特殊詐欺の一部である「架け子(詐欺の電話をかける役)」の募集では、今までは「電話するだけ」といった曖昧な説明でしたが、現在は「コールセンター業務。スクリプトどおりに話すので未経験者も安心!」のような具体的なものに変わってきています。
東京都は特殊詐欺加害防止特設サイトを設けており、その中で求人情報が適法なバイトか、闇バイトかを答えるクイズなどを紹介しています。
ぜひ一度試してみてください。
闇バイトのよくある特徴
闇バイトにはいくつか共通する特徴があります。危険な求人を見抜くためにも、特徴を覚えておきましょう。
1. 高収入で簡単な仕事内容
闇バイトは、高額な報酬で、具体的な仕事内容が書かれていないことが特徴です。
たとえば、「高収入」「日給10万円」「短時間で稼げる」のように、普通の仕事では考えられないような高い報酬が提示されているケースが多いです。
また、仕事内容は「簡単な作業」「渡すだけ」「運ぶだけ」といった、簡単な仕事であることを強調する文言も特徴です。
2. 隠語が使われている
闇バイトでは、仕事の内容を特定されないように、以下のような隠語が使われることがあります。
- 「架け子」:詐欺の電話をかける役。
- 「受け子」:詐欺でだまされた人から、現金やキャッシュカードを受け取る役。
- 「出し子」:詐欺で得たキャッシュカードで口座からお金を引き出す役。
- 「UD」:受け子、出し子を指す隠語。
- 「運び」:違法な物品やお金を運ぶ役。
- 「たたき」:暴行を加えたうえで金品を奪う強盗。
- 「猫探し」:猫は高級車の隠語で、窃盗グループなどが情報を集めている。
3. 連絡手段が匿名性の高いアプリ
闇バイトはDMを経て、匿名性の高い「Telegram」や「Signal」といったアプリで連絡するように求められることが多いです。
これらのアプリは、やり取りの履歴を消せる機能があるため、犯罪が発覚したときに証拠を残さない目的で使われます。
4. 個人情報を求められる
闇バイトに応募すると、仕事に必要だからといって、個人情報や家族の情報を要求されることがあります。
具体的には、運転免許証や学生証、マイナンバーカード、身分証明証と顔が一緒に写っている写真や、家族の情報などを求められます。
この情報を渡してしまうと、「住所はわかっている」「家族に危害を加える」などと脅迫され、犯罪に加担せざるを得ない状況に追い込まれることがあります。
闇バイトの募集が行われる場所はSNSや掲示板
闇バイトは、誰でもアクセスできるような場所で募集されています。
以下のような場所には特に注意しましょう。
- X(旧Twitter)やInstagramなどのSNS
闇バイトの事例の中で特に多いのがSNSです。投稿だけでなく、DMで直接連絡が来ることがあります。
- インターネット掲示板
匿名で書き込みができる掲示板には、危険な求人が紛れていることがあります。
- バイト募集アプリ
一部のアプリでは、運営側が気づかないまま、闇バイトの求人が掲載されることもあります。
闇バイトに関わってしまったら
もし、闇バイトに応募してしまったら、またSNSやネット掲示板で見た求人が「闇バイトかもしれない」と気づいた場合どうすればいいのでしょうか?
このセクションでは、具体的な対処法を紹介します。
すぐに警察や相談窓口に連絡
「これはおかしい」と思った時点で、すぐに警察や専門の相談窓口に連絡してください。
警察は、相談を受けたあなたやあなたの家族を保護してくれると宣言しています。
違和感があれば勇気をだして、警察相談ダイヤル#9110または近くの警察署に相談しましょう。緊急の場合は、迷わず110番通報してください。
また、怪しい闇バイトの求人や投稿を見つけた場合には、インターネット・ホットラインセンターへ通報しましょう。
参照:警察庁Webサイト「いわゆる「闇バイト」の危険性について」
家族や信頼できる人に相談
一人で抱え込まず、家族や友人など、周囲の人に話してみましょう。
「こんなバイトに応募しようと思ったけど、怪しくないかな?」と、周囲の人の意見を聞いてみてください。
誰かに話すことで、あなた自身も冷静に判断できるようになります。
現場で違和感を覚えたら作業を中断
もしすでに現場に行ってしまった場合でも、「何かおかしい」と感じたらその場を離れましょう。
その場を離れた後、すぐに警察に相談してください。「怪しい場所に連れて行かれた」「指示が変だと感じた」など、感じた違和感をそのまま伝えましょう。
自分の身を守ることが最も大切です。
無理にその場にとどまらず、助けを求める勇気を持ちましょう。
まとめ
この記事では、闇バイトの特徴や手口を説明し、怪しいと感じたときの対処法を具体的に紹介しました。
闇バイトは、一見普通のアルバイトや副業に見えても、犯罪に加担させられる危険なものです。
犯罪に関わる行為をしてしまうと、どんな理由があっても自分も罪に問われてしまいます。たとえ脅されて仕方なくやった場合でも、許されません。
闇バイトに巻き込まれないためにも、以下のことを意識して、自分を守りましょう。
- インターネット / 情報リテラシーが重要
SNSやインターネットでの情報を鵜呑みにせず、一度疑ってみる習慣をつけましょう。
- 「楽して大金を稼ぐ方法はない」と考えることが大切
楽な仕事で大金を稼ぐことは決してできないと冷静に考え、高額報酬や甘い言葉には注意。正しい仕事は必ず、その分努力が必要です。
- ニュースや犯罪手口を日ごろからチェックする
知識を持つことで、怪しい情報に引っかかりにくくなります。
- 困ったときは、必ず周囲や警察に相談する
自分一人で解決しようとせず、助けを求めることで解決への道が見つかります。
情報をうのみにせず、怪しいと感じたら一度立ち止まりましょう。そして、周囲や専門機関に相談する勇気を持ってください。
それが、危険から自分を守る第一歩になります。