労働者派遣法改正 3つのポイント

ポイント3 マージン率の情報開示

※今回解説する派遣法に対してさらなる改正案が検討・議論されており、2015年初めに施行されるとも伝えられています。この内容も、今後お伝えしていきます。

日雇い派遣の原則禁止

平成24年10月1日から施行された改正労働者派遣法では、日雇派遣が原則禁止になりました。そこで今回は、どのような働き方はNGで、どのような働き方はOKなのか解説します。「これから日雇の仕事をしたい」という方は、要チェックです。

  • Q1なぜ「日雇派遣」は禁止されたの?
  • Aとても短い期間の仕事のため、「働く人が働きやすいような環境を作る」という、本来雇用者側が果たすべき責任が守られていないケースがあり、このことが労働災害の発生の原因にもなっていたため禁止されました。
  • Q2具体的にはどんな働き方が禁止になるの?
  • A原則禁止とされたのは、労働契約が30日以内の日雇派遣のみです。労働契約が31日以上であれば、働くことが可能です。また、今回禁止されたのは短期間の「派遣」だけで、アルバイトやパートなど直接雇用で短期間で働くのは問題ありません。

例えば…勤務期間が1日でも

  • Q3もう30日以内の短期派遣で働くことができないの?
  • A「日雇派遣原則禁止」の例外はいろいろとあります! 例外にあてはまれば日雇派遣で働くことができますので、つぎの項目をチェックしてみましょう。

日雇い派遣で働くことができる人

※働き始めるときに、派遣会社で年齢を確認できるもの、学生証、収入を確認できる書類の提示などが必要になります。

  • Q4これまでできていた仕事はもうできない?
  • A日雇派遣として働くことが一般的になっていて、労働者保護の観点から問題のない業務に限って、労働政策審議会での議論の結果、例外として定められました。希望する仕事が日雇派遣として働くことができるか、チェックしてみましょう。

日雇派遣で働くことができる業務 ※日雇派遣原則禁止の例外となる業務

ソフトウェア開発/機械設計/事務用機器操作/通訳、翻訳、速記/秘書/ファイリング/調査/財務処理/取引文書作成/デモンストレーション/添乗/受付・案内/研究開発/事業の実施体制の企画、立案/書籍等の制作・編集/広告デザイン/OAインストラクション/セールスエンジニアの営業、金融商品の営業

※日雇派遣禁止の例外となる人か、業務のいずれかにあてはまる場合、日雇派遣で働くことができます。(人と業務の両方を満たす必要はありません。)

よくあるNGケース、OKケース

    • ケース1
    • 土日にお小遣い稼ぎがしたいAさんの場合
    • Aさん
    • 年収は500万円。
      お小遣い稼ぎに土日に日雇派遣の仕事をしたいのですが、大丈夫ですか?
    • 日雇派遣で働けます。
      本業としての仕事で年収が500万円以上あるので、日雇派遣は副業扱いとなるため禁止の例外として認められます。
    • ○
    • ケース2
    • いくつかの仕事を掛け持ちしているBさんの場合
    • Bさん
    • 現在2つの仕事を掛け持ちしています。それぞれ年収が300万円、200万円となっています。合計すると年収500万円になりますが、日雇派遣の仕事は可能ですか?
    • 日雇派遣で働くことができません。
      複数の仕事をしている場合には、その収入額が最も高い業務が主たる業務となります。そのため、Bさんの主たる業務は年収が300万の仕事となり、「生業収入が500万円以上」に該当しないので、日雇派遣で働くことはできません。
    • ×
    • ケース3
    • パートで働くCさんの場合
    • Cさん
    • 夫と娘の3人暮らしです。夫の年収は400万円、娘はフリーターとして働いていて年収100万円、私はパートで年収50万円です。パートの仕事の間に日雇派遣で働くことは可能ですか?
    • 日雇派遣で働けます。
      世帯収入が500万円以上あれば、主たる生計者(世帯収入の50%以上を占める方)以外は日雇派遣で働くことができます。Cさんは主たる生計者に該当しませんので日雇派遣で働くことができます。
    • ○
    • ケース4
    • ケース4 昼間バイトをしながら通信制の高校に通うDさんの場合
    • Dさん
    • 昼間のバイトで年収100万円です。通信制の高校に通っている学生ですが、日雇派遣で働けますか?
    • 日雇派遣で働くことができません。
      確かに学生は日雇派遣禁止の例外ではありますが、「雇用保険の適用を受けない学生」に限定されています。
      Dさんのように通信制学校や夜間の定時制学校に通っている場合、仕事をすると雇用保険に入らなければならないため、日雇派遣では働くことができません。
    • ×

日雇派遣の原則禁止 日雇派遣は禁止されましたが、特定の条件を満たしていれば、問題なく働けますので、希望の仕事は禁止の例外かどうか事前に確認するのをおすすめします。一方で、現在日雇派遣を解禁させる議論が進んでいますので今後の動きに注目です。

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