2020年から施行 
同一労働同一賃金
派遣社員の
同一労働同一賃金の考え方

派遣社員は「派遣先」の
正規雇用労働者との
差異を確認

派遣社員は、派遣会社と雇用契約を結び、派遣先にはあくまで「労働の提供」を行っている状態です。「同一労働同一賃金」の原則は、「同じ会社の中で、仕事の勤務内容や責任の範囲、負担などがまったく同じであれば、雇用形態が違っても同じ賃金や待遇としなければならない」ということですが、派遣社員の場合は、労働の提供を行っている派遣先の会社で同じ仕事をしている正社員と同じ待遇にしなければならない、と定められました。 他の雇用形態と比べて複雑なため、2つの方法から選択できるという仕組みとなっています。

派遣は2パターン

選択肢① 
派遣先労働者との均等・均衡方式

1つ目のパターンは、同一労働同一賃金の原則通り、派遣先の正規雇用労働者と同じ待遇にする「派遣先均等・均衡方式」。この方式を取ると、派遣先の正規雇用労働者と同じ待遇になるだけでなく、どの派遣会社から派遣されても、行っている仕事、責任の範囲などが同じであれば時給は同じになります。
この方式を取るには、派遣先の正規雇用労働者がどんな仕事を行っているかだけでなく、責任の範囲、転勤の有無、ノルマなど、あらゆる情報をあらかじめ提供をしてもらわなければならず、すり合わせが非常に難しい可能性があります。

【派遣先均等・均衡方式】

派遣社員と派遣先の正規雇用者との間に待遇の相違が存在し、不合理と認められた場合には派遣先の正規雇用者との均等・均衡待遇を実現するもの。

派遣先労働者との均等・均衡方式

選択肢② 
派遣元で一定水準以上の
待遇に定める「労使協定方式」

2つ目のパターンは、派遣元で一定水準以上の待遇に定める「労使協定方式」です。こちらは、派遣先ではなく雇用契約を結んでいる派遣会社が取り決めるもの、というのが選択肢①との大きな違いです。派遣会社の中で、派遣社員が行う仕事の平均賃金を参考にして、その待遇を労使協定で定める方式になります。労使協定とは、派遣会社が、労働者の過半数で組織する労働組合または労働者の過半数の代表者と一定の事項を定めた協定を書面で結ぶことを指します。

【労使協定方式】

過半数労働組合、または過半数代表者(過半数労働組合がない場合に限る)と派遣元事業主の間で一定の事項を定めた労使協定を書面で締結し、待遇を決定。

派遣元で一定水準以上の待遇に定める「労使協定方式」

出所:厚生労働省・都道府県労務局「平成30年労働者派遣法改正の概要<同一労働同一賃金>

派遣社員の教育訓練や
施設利用についても
待遇差を解消

賃金だけでなく、業務の遂行に必要な能力をつけるために実施する教育訓練や、給食施設・休憩室・更衣室についても派遣先の正規雇用者との均等・均衡が確保されていなければいけません。また、診療所などの施設の利用に関する便宜供与や適切な就業環境維持の配慮義務も規定されています。

教育訓練や施設も対象

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