
無期雇用転換についての実態調査
無期雇用転換ルールは2013年4月に労働契約法が改正され、2018年4月から適用されました。
その内容は、5年以上同じ職場で働いた有期雇用者は、雇用企業に対して無期雇用に転換する申請を申し込むことができるようになる、というものです。
無期雇用転換ルールが適用され、労働者の雇用形態はどのように変化したのでしょうか。
現在有期雇用に転換を考えている方にも、無期雇用転換ルールの現状を知る手段の1つとなれば幸いです。
(有効回答数:1329)
無期雇用転換ルールを知っていますか?
無期雇用転換ルールを知っているかどうか尋ねたところ「よく知っている」10%、「少し知っている」30%と合わせて40%という結果になりました。施行前の2018年1月~2月に行った同テーマのアンケートでは「よく知っている」9%、「少し知っている」22%と合わせて31%でしたので、今回9%の増加が見られます。また、「知らない」と回答したのは2018年が43%だったのに対し、今回は30%となり、13%減少しました。少しずつ認知度が上がっている傾向が見られます。
どのような条件で対象になっているかどうかについては、派遣社員、契約社員の約半数49%が「知っている」「少し知っている」という結果となりました。
- ■2018年
- ■2019年
- ■知っている
- ■少し知っている
- ■あまり知らない
- ■全く知らない
施行されてから約1年半、認知度は少しずつ上がっているようね。
有期雇用者の約半数の方が対象となる条件を把握していることもわかって安心したわ。
無期雇用転換ルールに期待していますか?
無期雇用転換ルールに期待しているかどうか有期雇用者に尋ねたところ、「期待している」「やや期待している」を合わせて派遣社員37%、契約社員47%、パート・アルバイト40%という結果になりました。
期待している理由では、「雇用の安定が保証される」37%が、期待していない理由では「雇用期間以外の待遇が改善されるわけではない」20%が最多意見となっています。
- ■期待している
- ■やや期待している
- ■あまり期待していない
- ■期待していない
- ■どちらでもない
期待しているという回答が多いかと思っていたけれど、期待していない理由を見ると無期雇用転換ルール自体をもっと明確にする必要がありそうね。
無期雇用転換を希望しますか?
有期雇用者に無期雇用転換を希望するかどうか尋ねたところ、「希望する」のは派遣社員33%、契約社員42%、パート・アルバイト36%となり、それぞれ「希望しない」を大きく上回りました。
希望する理由では、「更新の不安がなく安心できる」「今の仕事を続けたい」という意見が見られます。
- ■希望する
- ■希望しない
- ■どちらでもない
- 安定した収入を不安なく得て生活していきたい。ズーミンさん (派遣社員)
- 将来的に長く続けれる環境を確保したいので。また、次の更新に関する不安を持たずに働きたい。こいでさん(派遣社員)
- 日々更新があるかどうかと不安を持たずに働けるから。あんちゃんさん(派遣社員)
- 仕事の内容や職場が気に入っていて、続けて働きたいため。がおさん(派遣社員)
- 今の仕事にやりがいを感じており、出来る限り続けたいと思っている。ポコママさん(パート・アルバイト)
- 気に入った環境の仕事を続けたいため。ミーナさん(派遣社員)
気に入っている職場だったりすると、無期雇用転換で更新の不安やいつまで続けられるかの不安がなくなるのはとても良いことね。
無期雇用転換に申請はしましたか?
無期雇用転換申請したかどうか尋ねると、「申請していない」84%が最多回答となりました。「既に申請して転換した」のは5%とごく僅かな結果となっています。
また、雇止めされた、打診された経験を尋ねると、「打診された経験がない」76%となりました。

- ■既に申請して無期雇用に転換した
- ■既に申請して、承諾待ち
- ■既に申請したが、承諾されていない
- ■申請していない
- ■その他

- ■無期雇用転換を目前に、雇止めをされた、あるいは打診された経験がある
- ■無期雇用転換を目前に、雇止めをされた、あるいは打診された経験はない
申請している人は少ないわね。そして、24%の回答者は雇止めや打診をされたことがあるのね。
数値は少ないとはいえ、これで無期雇用転換希望者にとっては躊躇してしまう原因ともなりそう。
希望者がすんなり無期雇用になれるような環境になると良いですね。