派遣はやめたほうがいい?派遣のメリットと他の雇用形態との違いを解説!

「派遣はやめたほうがいい」と聞いたことはありませんか?このような話を耳にすると、派遣で働くことに不安を感じる方もいるのではないでしょうか。
また、正社員や契約社員、アルバイト・パートなど、他の雇用形態との違いも気になるところだと思います。
この記事では、「派遣はやめたほうがいい」と言われる理由や、派遣で働くメリット、そして他の雇用形態との違いを詳しく解説します。
「派遣はやめたほうがいい」は本当か?
「派遣はやめたほうがいい」と言う意見を耳にすると、派遣社員として働くことを不安に感じる人も多いのではないでしょうか。
しかし、派遣で働くことが向いているかどうかは、あなたの目指す働き方や目的によって変わります。
たとえば、以下のような人には、派遣という働き方が合うかもしれません。
派遣がおすすめの人
- さまざまな職場で経験を積みたい人
- 柔軟な働き方を希望する人
- スキルを活かして即戦力として働きたい人
- ブランクがあり、段階的に仕事復帰したい人
一方で、次のような人には、派遣という働き方はあまり向かない可能性があります。
派遣があまり向かない人
- 安定した長期雇用を望む人
- 昇進やキャリアアップを重視する人
- 福利厚生を重視する人
「派遣」という働き方は一概に「良い」「悪い」と判断できるものではなく、あくまでも働き方の選択肢のひとつなのです。
ご自身の状況や目標に合わせて、理想の働き方を考えていくことが大切です。焦る必要はありません。じっくりと自分に合った働き方を見つけていきましょう。
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「派遣はやめたほうがいい」と言われる理由
では、なぜ「派遣はやめたほうがいい」と言われるのでしょうか。
ここではその理由を、正社員雇用と比較しながらわかりやすく解説します。
雇用が安定しないから
派遣の大きな懸念点は、雇用が安定しにくいことです。
派遣契約は「3か月」や「6か月」など短期間で結ばれるのが一般的で、契約が終了すれば新しい仕事を探さなければなりません。
次の仕事を派遣会社に見つけてもらえる場合もありますが、常に「次の契約があるだろうか」という不安がつきまといます。
また、突然の契約終了というリスクもあります。企業の事業縮小や組織再編などの際には、派遣社員は契約終了の対象となりやすい立場にあります。
比較的自由な働き方ができる一方で、正社員と比べて雇用の安定性に欠ける点は、派遣の大きなデメリットと言えるでしょう。
常に新たな仕事を探す必要があるから
派遣には「同じ職場や部署で働ける期間は原則として最長3年まで」というルールがあるため、同じところで長く働くことはできず、定期的に新しい仕事を探さなければなりません。
これは、「派遣の3年ルール」とよばれます。
どれだけ慣れて気に入った職場でも、3年より長く働くことはできず、派遣期間が終了するたびに新しい職場を探す必要があります。
ただし、無期雇用の派遣社員になることや同じ会社で別の部署に異動すること、派遣先で直接雇用してもらうことができれば、同じ職場で継続して働くことも可能です。
しかし、異動や直接雇用は必ずできるとは限らないため、 定期的に新しい職場を探す負担がかかります。
キャリアアップが難しいから
派遣社員は、特定の職務に限定されることが多いため、幅広いキャリア形成の面では制約があることがあります。
派遣先での業務は、定型的な作業が中心となることが多く、新しい経験やスキルを積む機会が限られる場合があります。
派遣先で孤独を感じる場合があるから
派遣社員は期間限定の従業員として働くため、職場での人間関係に距離を感じることがあります。
特に、職場に派遣社員がひとりだけの場合や、正社員と業務内容が異なる場合は、コミュニケーションの機会が限られることもあるでしょう。
もちろん、すべての職場がこのような環境ではありません。しかし、派遣先での人間関係に課題を感じやすい点は、派遣はやめたほうがいいと言われる理由のひとつです。
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派遣で働くメリットも多い
ここまで見てきたように派遣で働くデメリットがあるとはいえ、派遣ならではのメリットも多くあります。
ここでは、派遣で働くメリットを詳しく見ていきましょう。
希望に合う求人を紹介してもらえる
派遣社員として働く際は、登録した派遣会社が、希望の条件に合う求人を紹介してくれます。
さらに、派遣会社は、派遣先企業との間に立ち、条件交渉をしてくれる場合もあります。
たとえば、「給料を上げたいとき」や「リモートで働きたいとき」など、自分では言いにくいことも代わりに伝えてくれるため、より自分に会った条件で働ける可能性も高まります。
また、職場での悩みや不安を相談できるだけでなく、キャリア相談にも対応してくれるなど、理想の働き方を実現するためのサポートを受けられるのが派遣の大きなメリットです。
仕事に就きやすい
派遣社員として働く場合、仕事に就くためのハードルが低く、プロセスもシンプルです。
派遣は直接雇用ではないため、企業にとって採用のハードルが低い傾向があります。
正社員として就職することは難しい大手企業でも、派遣社員としてなら経験や学歴を問わず挑戦できる求人があったりします。
また、正社員のように、何度も面接を受ける必要はなく、派遣先の担当者との顔合わせだけで採用が決まることが多いです。早ければ数日で勤務を開始することも可能です。
仕事を見つけやすく、スムーズに働き始められる派遣は、急いで働きたい人や柔軟な働き方を求める人にとって、理想的な選択肢といえるでしょう。
勤務条件がハッキリしている
派遣は契約時に勤務時間や休暇などの条件が明確に定められています。
そのため、自分の働き方をコントロールしやすく、プライベートの予定も立てやすいメリットがあります。
また、雇用契約に記載された休暇は確実に取得できるなど、契約通りの労働条件が守られやすいため、安心して働くことができます。
このように、派遣は仕事とプライベートのバランスを重視したい方にとって、魅力的な働き方の選択肢となっています。
さまざまな職場で経験を積める
派遣は長くても3年、短ければ1~3か月といった短期間で仕事が変わるため、さまざまな業種や職場を経験できます。
多くの職場を経験することで、適応力や新しいスキルを身につけることができます。
また、「どんな仕事が自分に合っているか」「どの業界に興味があるか」を試す機会になり、自分の適性を見極めることができるのが魅力です。
さまざまな環境での経験は財産となり、将来のキャリアを考える上でも役に立つはずです。
直接雇用に切り替えられる可能性がある
派遣社員として働きながら、実力や能力が評価されれば、正社員などの直接雇用に切り替わる可能性があるのもメリットのひとつです。
派遣には、いくつかの働き方があります。
そのうちの「紹介予定派遣」は、派遣社員として働いたあと、派遣先企業で直接雇用されることを前提とした契約を結ぶ方法です。
最長6カ月を試用期間とできるため、入社後のミスマッチを防げます。
また、「無期雇用派遣(常用型派遣)」として、派遣会社と期間の定めがない雇用契約を結ぶこともできます。
この方法では、派遣先企業での就業期間が終わってから別の企業への派遣までに時間が空いたとしても、その間も派遣会社とは雇用関係があり、給与も支給されます。
直接雇用や無期雇用契約に切り替えることができれば、契約更新されない派遣切りのリスクや雇用の不安定さを解消できるでしょう。
ただし、直接雇用 = 正社員ではない点に注意が必要です。直接雇用には契約社員やアルバイトなども含まれます。
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派遣とほかの雇用形態との違い
働き方には、派遣以外にも 正社員・契約社員・アルバイト・パート など、さまざまな形態があります。
ここでは、代表的な雇用形態が派遣とどのように異なるのか、詳しくみていきましょう。
正社員との違い
派遣と正社員の大きな違いは「雇用期間の有無」です。
正社員は契約期間に定めのない「無期雇用」のため、特別な理由がない限り長く働くことができます。
一方、派遣は有期雇用で、同じ職場で働けるのは長くても3年までです。契約が終了すると、更新されるか、新しい職場を探す必要があります。
また、仕事内容にも違いがあります。正社員は業務の幅が広く、責任のある仕事を任されることが多いですが、 派遣は決められた業務を担当することが一般的です。
さらに、収入面は正社員のほうが安定しています。正社員にはボーナスや退職金、各種手当がある一方で、派遣はこれらがないことが多いです。
契約社員との違い
派遣と契約社員の違いは「雇用主」です。
派遣と契約社員はどちらも非正規雇用に分類されますが、派遣社員は派遣会社と契約を結び、 派遣先企業で働きます。
一方、契約社員は働く企業と直接契約を結ぶため、職場とのつながりが強く、帰属意識を持ちやすいのが特徴です。
また、 正社員登用のチャンスの多さも異なります。
契約社員はそもそも企業の直接雇用なので正社員への登用が比較的多いですが、派遣社員は正社員になるチャンスは限られるかもしれません。
「将来的に正社員を目指したい」と考えるなら、契約社員のほうが可能性が高いでしょう。
アルバイト・パートとの違い
派遣とアルバイト・パートの違いは、「雇用主」と「時給」です。
派遣の雇用主は就業先ではなく、派遣会社です。一方、アルバイトやパートは、就業先の企業が雇用主となります。
また、派遣はアルバイトやパートに比べて時給が高い傾向があります。
同じ仕事内容でも、派遣の方が数百円から千円ほど、収入が多いケースも珍しくありません。
なお、パートとアルバイトはどちらも正社員より短い時間で働く形態で、法的には同じ扱いです。パートは主婦や主夫、アルバイトは学生やフリーターが多いといった、イメージの違いに過ぎません。
まとめ
この記事では、「派遣はやめたほうがいい」と言われる理由について解説しました。
派遣という働き方は、必ずしも悪いわけではありません。
派遣には、希望に合った求人を派遣会社が探してくれる、勤務条件が明確で働きやすいなど、メリットも多いです。
派遣という選択肢が良いかどうかは、その人の理想の働き方や目標によって変わります。
しかし、雇用が安定しにくい、新たな仕事を探す必要があるなどの理由から「派遣はやめたほうがいい」と言われることも事実です。
派遣のメリット・デメリットや、他の雇用形態との違いを理解した上で、自分の希望に合った働き方を見つけましょう。