自己紹介と自己PRの違いとは|企業が見ているポイントと面接の注意点
【例文あり】転職の履歴書で印象に残る自己PRの書き方|面接との違いも解説
転職活動において、自己PRは自分の魅力を採用担当者に伝えるチャンスです。しかし、どのように書けば効果的な自己PRになるのか悩む方も多いですよね。
この記事では、履歴書で印象に残る自己PRの書き方を例文付きで解説します。採用担当者がどこをみているのか、どのような構成だと伝わりやすいかを理解し、採用担当者の印象に残る自己PRを作りましょう。
自己PRとは「自分の魅力を企業に伝えること」
自己PRとは、自分のスキルや強みを応募先企業にアピールすることです。
あなたが「応募先企業にどのように貢献できるか」を、採用担当者に伝えましょう。
そのため、自分の強みはもちろん、企業がどんな人を求めているかを知る必要があります。
自己PRで自分の魅力を企業側に伝えることができるかどうかで、求職活動の難易度は大きく変わります。
■自己PRの例文
私の強みは「柔軟性があるところ」です。
前職では、アパレルショップの販売員として、多様なお客様に対応する業務に携わってきました。お客様ひとりひとりのニーズや好みに応じた提案を行うため、その場の状況に応じて柔軟に対応することを常に心がけていました。
具体的には、ある日、急いでいるお客様が来店された際、通常の接客スタイルを変更し、最短で希望の商品を提案するよう努めました。その結果、短時間で満足いただける買い物体験を提供することができ、お客様から感謝の言葉をいただきました。
このように、状況に応じて臨機応変に対応する柔軟性を活かし、貴社でもお客様に最適なサービスを提供したいと考えています。
採用担当者が自己PRでチェックしていること
採用担当者が自己PRで確認しているポイントは下記の4つです。
- 応募者が自社でどのように活躍できるか
- 自社が求めるスキルや実績を持っているか
- 社風にマッチするか
- わかりやすい自己PRができているか
企業は自社で活躍してくれる人を採用したいと考えています。
そのため、「応募者の強みやスキルがどう自社に貢献できるのか?」という観点で自己PRを確認しています。
また、企業が求める人材像や社風にマッチしていることも大切です。
仮にスキルや実績が優れていても、求めている人材に当てはまっていなければ、採用にはつながりません。
わかりやすさについては、簡潔にまとめる力や、準備をしているかなどの社会人としての基本スキルも見られています。
採用担当者に何を伝えたいかが伝わるように、この後のセクションで解説している自己PRの構成を見直しましょう。
自己PRでおさえるべき構成
自己PRをするときは、適切な構成を意識することで、より効果的なアピールができるようになります。
ここでは、自己PRでおさえるべき構成について解説します。
結論:アピールポイント
自己PRはまずは結論であるアピールポイントを記入しましょう。
最初に結論を書くことで、「この自己PRで何を伝えたいのか」が採用担当者に伝わりやすくなります。
アピールポイントは、自分の強みやスキルといった部分です。
最初に明確に伝えて、採用担当者が「この人は○○をアピールしているのだな」とわかるようにしましょう。
根拠となる具体的なエピソード
次に、アピールポイントの根拠となる具体的なエピソードを記入しましょう。
このとき、自分の強みを活かすためにどのような行動をして、どんな結果が出たのかを具体的に書いてください。
売り上げや実績などの数字や、第三者からの評価があると、自己PRの説得力が増します。
また、エピソードは最初に伝えたアピールポイントと矛盾が無い内容にしましょう。
最初に話したアピールポイントの根拠となる内容を伝えることが大切です。
入社後にどう活かすか
最後に、自分の強みを入社後にどのように活かそうと考えているかを記入します。
簡潔で構いませんが、採用担当者があなたの入社後の活躍をイメージできるように、具体的に伝えましょう。
そのためにも、応募先企業が求める人材像や業務内容を事前に調べて、それに合わせたアピールポイントを伝えるようにしてください。
印象に強く残る自己PR文の作り方
企業側の印象に残る自己PRの内容には、決まった作り方があります。
ここでは、企業側の印象に強く残る自己PR文の作り方を解説します。
1.応募企業とマッチする人材像を理解する
まずは企業が求める人材像がどんな人なのかを理解しましょう。
そのため、応募先企業の企業研究をしてください。
ただ企業サイトなどで事業内容を少し確認するだけでは、求めている人材像はわかりません。
企業理念や経営者の考え方、社員の声やインタビューなど、さまざまな情報をもとに企業がどのような人材を求めているのかを確認しましょう。
SNSや業界紙なども参考にしながら、企業が重視する価値観や文化などを、より深く理解しましょう。
同じ業界や職種でも、企業によって求める人材像は変わります。
応募先企業がどんな人を求めているかを理解したら、自己PRの内容が作りやすくなります。
2.自分の過去の実績・強みを洗い出して整理する
次に自分の実績や強みを洗い出しましょう。
過去から現在までの職務内容を振り返り、成果を挙げたことや解決した課題、評価された点などをいくつか思い出してみてください。
実績は、必ずしも大きなものである必要はありません。
そして、思い出した実績を当時の職場のチーム構成や担当業務、達成した目標数字などとともに具体的に挙げていきましょう。
自分の過去の実績や強みを洗い出したら、先ほどの自己PRの構成に合わせて書き出してみましょう。
■自己PRでおさえるべき構成
- 結論:アピールポイント
- 根拠となる具体的なエピソード
- 入社後にどう活かすか
3.応募先企業で活かせる強み・実績を選ぶ
最後に、書き出した内容から、応募企業で活かせるものがないかを確認してみましょう。
多くのスキルや実績を持っている人や自分の強みが明確な人は、つい、自分が伝えたいことを伝えてしまいがちです。
しかし、企業が求めているのは、自社に役立つ能力や経験を持った人です。
そのため、企業が求める能力・スキルと、自分の実績や強みが重なる部分をアピールポイントとして伝えましょう。
企業が求める能力と自身の経験や強みがマッチしていれば、採用担当者が「あなたの入社後の活躍」をイメージしやすい自己PRができます。
自己PRの例文5選
ここからは、自己PRでよく使われるアピールポイント5つの例文と解説を紹介します。
紹介するのは、履歴書に書く自己PR例です。
職務経歴書の場合は内容の深さや文字数に、面接では、話し言葉と書き言葉(御社・貴社など)に注意して作成してください。
また、例文はあくまで参考として、実際に伝えるときは自分自身の言葉で伝えましょう。
主体性をアピールする例文
私の強みは主体性をもっているところです。
現職の不動産会社では事務職を担当していますが、社内では来客対応の遅れによるクレームや商機の損失が課題となっていました。
そこで、事務員も来客の初期対応を行う体制を提案し、従来の業務に加えて、ヒアリング内容のデータ入力や物件の絞り込みまでを対応するようにしました。この改善により、営業の負担が軽減されクレームは大幅に減少しました。
貴社に入社後も、先輩や同僚たちとの協力関係を大切にしつつ、主体性を発揮して、業務の効率化に貢献したいと考えています。
<解説>
主体性をアピールする際には、実際に起こった課題や問題に対して自分がどのような行動を取ったかを強調しましょう。
この例文では、強みの根拠として「来客対応の遅れという問題に対し、自ら提案して業務改善に取り組んだエピソード」をアピールしています。
また、主体性をアピールするときは、同時に協調性を示すことも大切です。
主体性だけを強調しすぎると、採用担当者は社内のチームワークを乱してしまう可能性を考えるかもしれません。
率先して行動できるだけではなく、周りの人に気を配っていることも伝えましょう。
臨機応変な柔軟性をアピールする例文
私は、状況に応じて柔軟に対応する力を持っています。
前職のアパレルショップでは、店内でお客様が迷うことが多く、毎日多くの問い合わせがありました。そこで、店内の導線を改善するためにレイアウトの変更を提案し、許可を得て実際に変更したことで、問い合わせ件数が大幅に減少しました。さらに、利用しやすい店舗になったという声もいただき、月間売上も10%向上しました。
貴社に入社後も、ただマニュアル通りに仕事をするだけではなく、臨機応変に、状況に応じた最適な対応を行い、業務効率や売上の向上に貢献したいと考えています。
<解説>
柔軟性をアピールする際には、問題に対して臨機応変に対応できることを強調しましょう。
ただ周りに合わせることが多いというエピソードを伝えると、優柔不断なイメージを与えてしまうかもしれません。
この例文では、店内レイアウトの改善提案によって、業務効率や売上向上に貢献した点が強調されており、問題に対する迅速な対応力をアピールしています。
困難な目標に対する努力をアピールする例文
私の強みは、困難な目標に対して努力し続けることです。
前職の営業職では、通常の3倍の発注をいただいたものの、在庫が不足しているという課題に直面しました。それでも、諦めずに社内の生産計画を調整するべく、関係者に何度も頭を下げながら交渉し、協力を得ることができました。それにより、在庫を確保することに成功。その結果、顧客の要望を満たすことができ、売上目標も達成しました。
貴社でも、困難な目標に対して粘り強く取り組み、成功まで努力していきます。
<解説>
忍耐力や継続力をアピールする際にはただ「耐える」だけでなく、困難な状況でも前向きに行動して、問題を乗り越える力があることを強調しましょう。
受け身ではなく、問題に対して主体的に行動し続ける印象を採用担当者に与えることが大切です。
この例文では、困難な目標に対して継続的に努力し続けた経験をアピールしています。
協調性をする努力をアピールする例文
私の強みは協調性をもって、チームで成果を上げられることです。
現在、営業職として5名のチームを率い、3カ月連続で目標を達成しました。進捗が遅れているメンバーや成果が伸びないメンバーには、積極的にコミュニケーションを取って問題点を共有し、サポートに努めました。時には自分が手本となり、彼らの業務改善を促進しました。また、体調が悪そうであったり、落ち込んでいたりなど、日々の変化に気を配り、早めにフォローアップすることで、メンバー全員が自信を持って働ける環境を作り上げました。
貴社でも、この協調性を活かし、チームの一員として、リーダーを目指しながら、売上向上に貢献したいと考えています。
<解説>
協調性をアピールするときは、自分から行動して、チームで成果を生み出したことを強調しましょう。
企業が求める協調性とは、単に周囲に合わせることではありません。
他者の意見を尊重しつつも、主体的に行動し、チーム全体を一つの方向に導く能力です。
他者との円滑なコミュニケーションを通じて、チーム全体が効率よく成果を出せるようにする力を持っていることをアピールすれば、採用担当者に好印象を与えられます。
この例文では、協調性によるリーダーシップを発揮し、チームを目標達成に導いた経験を強調しています。
未経験の業種・職種に応募する時の例文
私の強みは、積極性があることです。
私には飲食店でのアルバイト経験が約1年あります。その職場では基本的な業務のほか、お客様への気配り、まだ教えられていない業務を自ら取り入れる姿勢などが評価され、後半の半年間は、新人スタッフの教育やシフト管理を任されていました。それと同時に、以前からの希望職種で合った事務職に就職するために、WordやExcelのMOSを取得。
貴社に入社後は、未経験の事務職でも新しい知識やスキルを学びながら、貴社の成長に貢献したいと思っています。
<解説>
未経験の業種・職種に応募するときは、短期間で戦力になれることをアピールしましょう。
未経験OKの募集案件だったとしても、企業は戦力となってくれる人材を求めています。
早い段階で活躍してくれそうというイメージを採用担当者が持てれば、採用の可能性は高まります。
この例文では、過去のアルバイト経験の実績と応募職種に関連する資格を取ったエピソードを伝える事で、自己成長の意欲を強調しています。
よくある質問
最後に、自己PRについてよくある質問に回答します。
履歴書・職務経歴書と面接で自己PRは変えるべき?
A 自己PRの内容は変えない方がいいです。
履歴書と面接で異なる内容を伝えると、話に一貫性が無くなってしまいます。
採用担当者からしたら「どの話を信じたらいいのかわからない」となってしまい、不信感につながってしまうかもしれません。
とはいえ、履歴書と職務経歴書に全く同じ文章が書いていたら、手抜きと思われてしまう可能性もあります。
職務経歴書は自己PR欄を自由に設定できることが多いため、履歴書を補足するような内容を職務経歴書に記入しましょう。
また、面接では各書類に書いた内容をより詳細なエピソードを交えて自己PRしましょう。
この時、書類に書いた内容をそのまま読みあげる形にならないように、面接前に練習しておきましょう。
よくない自己PRの特徴は?
A よくない自己PRの特徴は下記の通りです。
- アピールポイントやエピソードが抽象的
- 応募先企業が求める能力をアピールしていない
例えば、「社交性があることが強みです」とだけ伝えても、実際にその強みがどのように仕事に役立つのかがわかりません。
「初対面の方とすぐ打ち解けることが出来るので、初回商談の契約率が高かった」といった具体的なエピソードや成果を盛り込みましょう。
「どのように活かしてきたか」「上司や同僚からどう評価されたか」「どんな数字を出したか」を伝えることで、採用担当者にあなたの強みが伝わりやすくなります。
また、アピールポイントが企業の求める能力に合っていない場合も、採用担当者からの印象はよくありません。
求人情報や企業のホームページなどを確認し、企業が求めているスキルや長所に合わせて自己PRを作成するようにしましょう。
まとめ
この記事では、転職の履歴書で印象に残る自己PRの書き方について、例文付きで解説しました。
- 自己PRとは、自分のスキルや強みを企業にアピールすること
- 採用担当者が見ているのは、応募者がどのように会社に貢献できるか
- 自己PRは、「結論・根拠・入社後の展望」という3つの構成を意識する
- 自分の強みと、企業が求める能力の重なる部分をアピールする
自己PRは自分のことを企業にアピールする最大のチャンスです。
この記事の内容を参考にして、企業に好印象を与える自己PRを準備しましょう。